著者は坂本敏夫さん。
刑務官として刑務所や拘置所に勤務。
94年に退官。著書多数。

この本は刑務官として
受刑者や死刑囚と向かい合ってきたからこそ書くことができる
きわめて具体的な内容となっている。
塀の中の日常や
死刑執行の流れなど
我々が知ることのできないことがよくわかり興味深い。

矯正の在り方など著者の主張がしっかり述べられており
終身刑の導入についても反対の立場をとっている。

司法制度の在り方や冤罪などにも触れ
見方によっては内部告発的な部分もある。
普段知ることのできない世界を垣間見る意味で
とても興味深い1冊だ。

ディベートでは死刑制度の是非を問う論題があるが
その場合の基本文献にもなると思う。