著者は大阪青山短期大学助教授の福井雄三さん。
結論から言うと
司馬史観は東京裁判史観に影響を受けている
というようなところか。
著者は司馬氏に敬意を払いながらも
その歴史のとらえ方を批判している。
「坂の上の雲」の旅順攻防戦や
おそらく司馬氏が最後に書こうとしたであろう
ノモンハン事件に関するとらえ方が対象となっている。
まあ,読みものとしてはおもしろく
そういう指摘もあるのかという部分はあるが
タイトルと直接関わる部分が少なく
著者が中学校で思うように講演ができなかった
従軍慰安婦のことや
戦前の日本について記述した海外の翻訳などが結構な分量を占める。
歴史にはさまざまな見方,評価がある。
こういう見方もあるという意味では参考になると思う。
個人的には,タイトルにもっと迫ってほしかった。