著者は河野義行さん。
松本サリン事件で犯人扱いされた。
その後,無実が証明され,
長野県公安委員会委員を務める。

河野さんは,松本サリン事件の第一発見者であり,
当初は犯人扱いされた経験を持つ。
警察やマスコミのあり方について,
身をもって体験しただけに,
推定無罪などの主張には説得力がある。

見込みで捜査が進んだり,
マスコミによって犯人扱いされていくことの恐ろしさを
知ることができた。
警察の捜査やマスコミの報道のあり方について考えさせられる。
同時に,自分で物事を考え,判断することの重要性も思い知らされる。

松本サリン事件のあらましを知ることができた。
まだ解明されていないことも多いが,
裁判は犯罪があったかどうかを判断するだけで,
事件の真相を解明するものではないという話は重い。

河野さんの生き方も記されていて,
それはそれで興味深い。