著者は池谷孝司さん。共同通信社本社社会部次長。
真下周さん。共同通信社遊軍記者。

この本は16歳で母親を殺害し
少年院を出て再び大阪の姉妹殺害事件をおこし
死刑となった山地悠紀夫という人物を追いながら
少年事件の再犯防止のためのヒントを見つけようとした
二人の記者の文章である。
新聞に連載されたものをもとに大幅に加筆されたものである。

山地は広汎性発達障害ではなかったかと思われるのだが
そのことと事件との関わりを探りながら
どうすれば犯罪を防げたのかを考えている。

重い内容ではあるが
とても考えさせられる。
ちょっとした情報で物事を決めつけるのではなく
様々な知識を持ち周囲の人たちが関わっていくことが大事だとわかる。
多くの人に読んでもらいたい。

「死刑でいいです」とか「生まれてこなければ良かった」
などという言葉を語る人が出てこないことを祈る。

死刑でいいです --- 孤立が生んだ二つの殺人
池谷孝司
共同通信社
2009-10-02