著者は東北楽天ゴールデンイーグルス監督の野村克也さん。

これまでの50年に及ぶプロ野球人生をふまえた1冊である。
いきなり「野球とは団体競技なのだ」と語る。
個人の成績がすぐに年棒に反映されるプロ野球の世界だけに
この言葉の持つ意味は大きい。
おそらくプロ野球である前に野球なのだと思う。
そうした野球という競技の本質を理解することなしに
プロ野球自体について語ることはできないのだろう。

「チームの鑑」という言葉が繰り返し出てくる。
人間教育という言葉も何度も出てくる。
チームという1つの目標に向かう集団を
どのように作っていくのかという著者の歩みは
野球に限らずあらゆる集団に生かせるものだと思う。

数多くの選手に関するエピソードや
著者による選手,監督の評価はとても興味深い。
テレビで観る野球も
チームという視点で観られるようになると一層楽しいかもしれない。